東京都千代田区・秋葉原の税理士事務所タックス・ワンが、所得税の計算方法・非課税所得・外国人に対する課税等について説明します。

所得税

所得税の計算の基本について

確定申告と言いますが、個人に課税する日本の所得税はどのような計算をするのでしょうか。

 

所得税の計算の基本的流れは、先ずその個人の所得を下記の10種類に分けます。

1.利子所得:公社債や銀行預金等の利息から生じる所得
2.配当所得:法人からの利益配当から生じる所得
3.不動産所得:不動産等の貸付から生じる所得
4.事業所得:営業から生じる所得
5.給与所得:給与収入による所得
6.退職所得:退職金による所得
7.山林所得:山林の伐採や譲渡による所得
8.譲渡所得:不動産・動産・株式の譲渡による所得
9.一時所得:1から8以外の所得で営利目的でない一時的な所得
10.雑所得:1から9以外の所得

 

次に各所得について、「収入金額△必要経費」などの計算をして利益(税法上は所得といいます)を計算して、一定のルールの元に合算します。ただし、利子所得、退職所得、譲渡所得については分離課税といって、合算しないで別計算となります。

 

この所得の合計額から控除するのが、所得控除額です。社会保険料控除、医療費控除、寄付金控除、扶養控除、配偶者控除、基礎控除などですね。

 

合計所得金額から所得控除額の合計額を控除した後の金額を課税標準といいますが、1000円未満切り捨てをして超過累進税率を乗じて所得税を計算します。

 

所得税とともに納付する復興特別所得税(所得税の2.1%)を加算して、源泉徴収されている税金は前払い税金ですから、計算された税金から控除されますが、控除しきれない税金は還付されます。

 

確定申告は所得税の申告と同時に、同じデータが市区町村に送られて住民税の申告も完了いたします。

所得を分けずに一本で計算する法人税に比べると、とても複雑でパズルみたいです。

 

確定申告の手引き
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2017/index.htm#a00

超過累進是率
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm

 2018/2/1

所得税の非課税所得

非課税とは、先ず課税する対象にはなるけど、税法上課税しない(非課税)と規定(限定列挙)したものです。


国税庁の非課税所得の説明
https://www.nta.go.jp/ntc/kouhon/syotoku/pdf/01.pdf#page=4


主なものとしては、
1.傷病賜金、遺族恩給、遺族年金等
  社会保険に加入していれば受けられる年金、何があるかわかりません
  社会保険には加入しましょう。

2.給与所得者の旅費
  会社は経費として支給します。
  それを取得した個人も、所得税が課税されません。
  それは実費弁済と考えるからです。

3.給与所得者の通勤手当
  会社は経費として支給します。
  限度額以内であれば所得税が課税されません。
  これも実費弁済と考えます。
4.給与所得者の職務上必要な現物給与等

  制服代などです。会社は経費計上します。
  支給された従業員は、経済的利益を受けていますが非課税です。

5.生活用動産の譲渡による所得
 1個または1組の価額が30万円超など高額な動産は課税されます。
 
6.相続又は個人からの贈与による所得
  所得税は非課税ですが、相続税又は贈与税が課税されます。
  法人(会社)から贈与されたものは、所得税の一時所得として
  課税されます。

7.損害保険の保険金、損害賠償金等

8.葬祭料、香典等

9.労働基準法による遺族補償金等、失業保険

10.宝くじの当せん金、スポーツ振興投票券の払戻金

  宝くじの当せん金は「当せん金付証票法」、スポーツ振興投票券の払戻金は「スポーツ振興投票の実施等に関する法律」などの法律に基づき、非課税とされています。
 しかし、懸賞やクイズ番組、福引などの当選金は、所得税の一時所得として 課税されます。


※そして、こんな規定もあります。
1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、確定申告は不要です。
(その20万円以下の所得は、課税されないということです)
しかし、2カ所から給与を受けていて確定申告をしなければならない人や医療費控除を受けるために確定申告をする人は、その20万円以下の所得についても併せて申告をしなければならなくなります。

2018/1/1

外国人に対する課税

外国人が日本で稼いだ所得は、どのように納税するのでしょうか。
自然人の稼いだ所得には所得税が課されます。
日本の所得税の納税義務者を納税義務の範囲で分けると下記のようになります。

①居住者の中の永住者  :全世界所得課税
②居住者の中の非永住者 :国内源泉所得課税+一部国外源泉所得課税
③非居住者(居住者以外):国内源泉所得課税
             事業所得についての課税は
              恒久的施設有り→事業所得の確定申告義務有り
              恒久的施設無し→投資所得の源泉徴収納付

 ※国内源泉所得とは、日本国内にその発生源泉がある所得のことをいいます。
 ※恒久的施設(PE:Permanent establishment)とは、支店、出張所その他の事業所若しくは事務所、工場又は倉庫業者が事業の用に供する倉庫等をいいます。

 

「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上国内に「居所」を有する個人をいいます。「住所」とは、民法の規定を準用しており「各人の生活の拠点を住所とする」(民法22条)とあります。そして、生活の拠点であるかどうかは客観的事実により判定するとされています。

 

「居住者」のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に国内に住所又は居所を有する期間の合計が5年以下である個人を「非永住者」といいます。「非永住者」は、国内源泉所得とこれ以外の所得である国外源泉所得(国外で支払われる預金等の利子や、国外にある不動産の貸付・譲渡による収益など)で日本で支払われたもの又は国外から送金されたものについて納税義務があります。

 

「非永住者」以外の「居住者」を「永住者」といい、全ての所得に対して納税義務があります。(全世界所得課税)

「居住者」以外の個人は「非居住者」といい、国内源泉所得に限って納税義務があります。(「非居住者」は、日本国内に住所がなく、かつ、現在まで引き続き1年以上国内に「居所」を有しない個人ということです。)

 

外国人であっても、国内において継続して1年以上居住することを通常必要とする職業に従事している場合は、国内に住所があるものと推定して、居住者として課税をします。

逆に、国外に継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有していること、もしくは、外国国籍又は外国永住権を有し、かつ、生計を一にする配偶者を有しないこと、その他国内における職業及び資産の有無等の状況に照らし、再び国内帰り、主として国内に居住するものと推測するに足る事実がないような場合には、国内に住所を有していない者と推定して、非居住者として課税します。

 

注意すべきは、居住者か非居住者かの判定を税法上は、国籍、住民登録の有無、外国人登録の有無を基準にして区別することになっていないことです。

 

次に納税の方法です。
納税の方法については、申告納税(確定申告)と源泉徴収(報酬の支払い者が、報酬の支払い時に源泉所得税を預かって代わりに納税すること)とがあります。

 

①居住者のうち永住者に該当する場合には、通常と全く同じように源泉徴収をされ、申告納税をすることになります。

②居住者のうち非永住者に該当する場合には、国内源泉所得と一部の国外源泉所得について源泉徴収をされ、申告納税をすることになります。

③非居住者は、国内源泉所得についてのみ源泉徴収をされ、申告納税することになりますが、源泉徴収の課税範囲が居住者のそれよりも広いため、非居住者へ支払をする者は慎重に源泉徴収義務を確認する必要があります。

 

国際税務においては、源泉徴収がとても重要です。国との関係では直接的な納税義務は支払者が負い、源泉徴収した税の納付を怠ると滞納処分を受けるのは、支払いを受ける者ではなく、その支払をする者です。

 

恒久的施設(PE)とは、支店・工場その他事業を行う一定の場所をいいますが、PEの形態により事業についての課税方式及び課税対象となる所得が変わってきます。
国内にPEを有する非居住者については、国内源泉所得の全てについて(一定の所得は源泉徴収の上)申告納税をすることになりますが、PEが無い場合には、源泉徴収のみ行うことになります。

そして国内源泉所得とは、国内において行われる下記の所得です。
1.事業から生じる所得
2.資産の運用・保有により生じる所得
3.資産の譲渡による所得
4.土地等の譲渡による所得
5.人的役務提供事業の対価による所得
6.不動産の賃貸料等
7.預金利子、配当、貸付金利子
8.使用料
9.給料
10.使用料
11.広告宣伝の賞金
などです。

 

源泉徴収する場合の税率は10%~20%であり源泉分離課税で課税が終了する所得もあれば、総合課税で所得税の確定申告をする所得もあります。総合課税ということは超過累進税率によって税金が計算されます。

国税庁ホームページ:非居住者又は外国法人に支払う所得の源泉徴収事務
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2016/pdf/12.pdf


そして日本は、各国と「租税条約」というものを締結しております。
二重課税の排除と脱税の防止等のため、主権国家間で締結する成文による国家間合意のことです。
これにより、外国で納税した税金を、日本で収める税金から控除することにより二重課税を排除したり、納税義務者の外国での納税情報や財産情報を共有したりなどしています。

財務省ホームページ:租税条約に関する資料
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/h07.htm#a01

 2018/5/1

法人と個人事業者の違い

事業を行う上で、個人事業主として行うか法人として行うかでどのような違いがあるのでしょうか。

個人事業主は権利能力の主体である自然人が自ら経済活動を行いますが、法人は、社団(人の集まり)や財団(物の集まり)に法律が法人格を与えて権利能力の主体として経済活動をできるようにしています。

 

株式会社や合同会社などは、会社法という法律を根拠法として設立されており、税理士法人タックス・ワンは税理士法を根拠法として設立されております。

 

自然人と法人が事業活動から獲得した所得に対しては、前者には所得税、後者には法人税が課税されます。法人はもともとがその事業目的のための組織ですから、法人の行う活動は全て事業活動として法人税の課税対象となりますが、自然人は事業活動以外の収入もありますので、それらを10種類の所得に分けて、それぞれの性質にあった所得計算を行い、所得税を計算します。

 

例えば、法人が物品の販売と不動産の貸付けを行った後、事業で使用していた自動車と賃貸不動産を売却した場合、その計算は、すべて法人税の所得計算の中で一緒に計算され、その最終的な所得に対して法人税が課税されます。

しかし、個人事業者はというと、その性質に応じた所得区分で計算しますから物品の販売は事業所得として計算、不動産の賃貸は不動産所得として計算、自動車の売却は総合譲渡所得として計算、不動産の売却は分離課税の譲渡所得として別々に計算した後、事業所得、不動産所得、総合譲渡所得は合算して
超過累進税率、分離課税の譲渡所得は別途比例税率(決まった税率により課税)により所得税が課税されます。また、株式の売却があれば株の譲渡所得として分離課税、預貯金の利息は利子所得として源泉分離課税として別計算をすることになります。

 

法人の所得計算及び個人事業者の事業所得や不動産所得の計算項目の中にある減価償却(耐用年数が1年を超える一定金額以上の資産を購入した場合に、一時に費用計上するのではなく、その効果の及ぶ期間と考える耐用年数期間に渡って費用計上すること)を行う場合にも、個人事業者は赤字であろうと必ず償却費を計上しなければなりませんが、法人は任意償却ですので計上しないことが認められてます。
また、法定償却方法(償却方法を選択しない場合の償却方法)も個人事業者は定額法ですが、法人は建物や付属設備等は定額法ですが、機械や備品などは定率法です。

 

赤字を繰り越せる期間も個人事業者は3年ですが、法人は9年です。

 

事業税・住民税の申告も、法人は税額まで計算して申告及び納税しますが、個人事業者は、所得税の確定申告をすると区市町村において事業税・住民税が計算されて納税通知書と納付書が送られてきます。

税率も法人関係税(法人税・事業税・住民税等)と個人関係税(所得税・事業税・住民税等)とで異なります。


住民税の均等割りは個人事業者は5千円ですが、法人は最低7万円からであり、資本金等によって増加します。

 

申告税額の計算期間は、法人は1年を超えない範囲で自由に決められますが個人事業者は暦年(自1月1日至12月31日)に統一されています。

 

消費税及び地方消費税はどうかというと、基本的には変わりませんが、納税義務の判定で使用する基準期間(前々年)の課税資産の譲渡等の計算方法が異なりますのでご注意ください。

2018/4/1